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「狼の震える夜」ウィリアム・K. クルーガー (講談社)

元保安官のコーク・オコナーを主人公とする本作は,前作「凍りつく心臓」に続くシリーズ二作目。

このシリーズの特徴でもあり,かつ,魅力的なところは,ミネソタ州の片田舎にしてアメリカの先住民であるアニシナアベ族の神話が息づく,恵みある大自然の情景を生き生きと描いているところにある。

シリーズ第二作の本書では,主人公は謎の失踪を遂げた女性カントリー歌手の父親に頼まれて,その女性を探すべく湖沼地帯深く分け入っていく。

その救出行に同行するのが,アニシナアベ族の男とその息子。

この父親と息子の間で交わされる言葉や仕草が,何とも言えない雰囲気を作っていることは勿論のこと,息子が語る寓話のような物語も神秘的で心を打つ。

追う者と追われる者それぞれの父親としての想いが交差する中,オコナーは持てる知力と体力の限りを尽くして謎の敵に立ち向かう。

人物造形,舞台,ストーリー,テンポのいずれも一級の作品で,読む者をして至福の時を過ごさせてくれるシリーズ作品であることを断言する。

ちなみに,このシリーズの原書と翻訳タイトルは以下のとおり。

第一作「Iron Lake」1998 (凍りつく心臓)
第二作「Boundaru Waters」1999 (狼の震える夜)
第三作「Purgatory Ridge」2001 (煉獄の丘)
第四作「Blood Hollow」2004 (二度死んだ少女)
第五作「Mercy Falls」2005 (闇の記憶)
第六作「Copper River」2006 (希望の記憶)
第七作「Thunder Bay」2007 (血の咆哮)
第八作「Red Knife」2008 (未訳)
第九作「Heaven's Keep」2009 (未訳)

狼の震える夜

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