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「ストーナー」ジョン・ウィリアムズ (作品社)

読み終えた後,物語の主人公である一人の男の人生を,あたかも自分が生きたかのような感覚におそわれた。

主人公のウィリアム・ストーナーは19世紀末のミズーリ州の貧農の家に生まれる。

父の後を継ぐために地元の大学の農学部に入学し,下宿先の農家の手伝いをしながら勉強する。

大学二年目の一学期,全学性共通の必須教養科目の英文学概論で,講師であるアーチャー・スローンによるシェイクスピアのソネットに関する講義により,自らの生きる道を見出す。

農学部から文学部に転じ,文学部卒業後は非常勤講師として学生を指導しつつ,二人の気の合う友人との交遊を深めながら博士課程の勉強を進める。

そんな中,アメリカが第一次世界大戦に参戦,二人の友は戦場に出るが,主人公は大学に残る。

博士課程を修了し学位が授与され常勤講師の職に就いた主人公は,ある集まりで見かけた女性に恋心を抱き,数週間後に結婚する。

しかし,妻となった女性は,その破綻的性格で主人公の研究者,指導者としての人生に暗い影を落とす。

一人生まれた娘と心を通わそうとするが,それさえも妻に邪魔立てされてしまう。

主人公が唯一喜びを見出すことができるのは,若い学生を指導することだけであった。

幾多の困難に直面するも,淡々と運命を受け入れ,自らの信ずる道を寡黙に生きる主人公。

そして,主人公42歳のとき,一人の若い学生をゼミに迎えたことから,主人公をして「行く手には期して待つ何ものもなく,来し方には心温まる思いでなどなきに等しかった」と言わざるを得ない事態に遭遇する。

ところが,そのような主人公にも,喜びに身を奮わし情熱に身を焦がす,一瞬一瞬が光り輝く時が訪れる。

悲しい物語であるが,美しく力強い物語である。

生きることの悲しさと同時に喜びを感じさせてくれる物語である。

ストーナー

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