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「変数人間」フィリップ・K. ディック (早川書房)

フィリップ・K. ディックの作品は玉石混交である。

長編には,「虚空の眼」「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」「タイタンのゲーム・プレーヤー」のような傑作もあれば,「アルベマス」「ザップガン」のような箸にも棒にもかからない駄作もある。

長編に比べると短編は安心して読むことの出来る作品が多い。

「アジャストメント」「トータル・リコール」に続く,早川書房のフィリップ・K. ディック短編傑作集第三弾の本書には,

「Days of Perkey Pat (パーキー・パットの日々) 1963年」
「Sales Pitch (CM地獄) 1954年」
「The Indefatigable Frog (不屈の蛙) 1953年」
「The Eyes Have It (あんな目はごめんだ) 1953年」
「The Alien Mind (猫と宇宙船) 1981年」短編集初収録
「Shell Game (スパイはだれだ) 1954年」
「Misadjustment (不適応者) 1957年」短編集初収録
「A World of Talent (超能力世界) 1954年」
「Paycheck (ペイチェック) 1953年」
「The Variable Man (変数人間) 1953年」

の10編がおさめられている。

殆どの作品は既読であるが,いずれの作品も楽しく読んだ。

収録されている10編の中では,超能力者の世界を描いた「Misadjustment (不適応者)」,超能力者と反能力者の出会いがテーマの「A World of Talent (超能力世界)」,映像的アクションが秀逸な「Paycheck (ペイチェック)」,過去から来た予測不能な男を主人公とする「The Variable Man (変数人間)」の四編が特に印象的であった。

早川書房では,この後,第四,第五,第六と短編集を刊行予定で,ディックが著した百二十あまりの短編のうち,六十編ほどが今回の6冊の短編集に収録される。

ところで,フィリップ・K. ディックに関してネットをうろうろしていたら,素晴らしいサイトに出会った。

それがここ。(文字化けする場合は,Safari のプルダウン・メニュー「編集」のテキストエンコーディングで,「日本語 (Shift JIS)」にするとよい)

このサイトの「P. K. ディック SF作品レビュー」にいくと,すべての長編と短編が懇切丁寧に解説されている。

まさに脱帽もののサイトである。

変数人間

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