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「償いの報酬」ローレンス・ブロック (二見文庫)

著者であるローレンス・ブロックを好きな作家の一人として紹介した。

彼の代表作「マット・スカダー・シリーズ」は,2005年に発表された第16作「All The Flowers Are Dying (邦題:すべては死にゆく)」で終わったかにみえたが,6年後の2011年にアメリカで「A Drop Of The Hard Stuff」が出版された。

このマット・スカダー・シリーズの第17作となる作品,「償いの報酬」というタイトルで邦訳出版された。

物語は,74歳のスカダーが,名脇役ミック・バルーに昔話を始めることで幕を開ける。

ときは,スカダーが禁酒して三か月を経過した頃,犯罪者となった幼なじみの男と禁酒の会の集会で再会する。

幼なじみの男は,過去に傷つけてしまった人に「埋め合わせ」をするという,禁酒プログラムの第9ステップを実行していたが,その矢先,殺されてしまう。

幼なじみは「埋め合わせ」をしていたがために殺されたと考え,スカダーは調査を開始する。

誰が何の目的で幼なじみを殺害したのかというミステリとしての面白さ堪能できるが,本書の価値は1980年代,45歳であったスカダーの行動,心の有り様が,74歳と老境に入ったスカダーの視線をとおして語られるところにある。

償いの報酬

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