「カロライナの殺人者」デイヴィッド・スタウト (早川書房)
1944年に14才の黒人の少年が,白人の二人の女の子を殺した罪で電気椅子に座らせられるまでを描いた第一部。
40年後の1988年に,無実の罪で処刑された少年の姉の子どもが,叔父の罪を晴らすためにカロライナを訪れ当時の関係者に会って真犯人をみつけるまでを描いた第二部。
この二部構成は,親子三代にわたりアメリカの田舎の殺人事件を解明するというスチュアート・ウッズの傑作小説「警察署長」を思い出させるが,内容的には「警察署長」程分量がないせいか重厚な感じはしない。
しかし,過去,そして現在のアメリカのいわゆるディープサウスの雰囲気や,処刑された黒人の少年の甥の元新聞記者と当時の保安官の息子で白人の警部とのやり取りなどを通して,人種問題は現在のアメリカにおいても大きな社会問題であることが読み手に伝わってくるのである。

40年後の1988年に,無実の罪で処刑された少年の姉の子どもが,叔父の罪を晴らすためにカロライナを訪れ当時の関係者に会って真犯人をみつけるまでを描いた第二部。
この二部構成は,親子三代にわたりアメリカの田舎の殺人事件を解明するというスチュアート・ウッズの傑作小説「警察署長」を思い出させるが,内容的には「警察署長」程分量がないせいか重厚な感じはしない。
しかし,過去,そして現在のアメリカのいわゆるディープサウスの雰囲気や,処刑された黒人の少年の甥の元新聞記者と当時の保安官の息子で白人の警部とのやり取りなどを通して,人種問題は現在のアメリカにおいても大きな社会問題であることが読み手に伝わってくるのである。
