「マガジン青春譜」猪瀬直樹 (小学館)
本書で猪瀬が取り上げたのは,川端康成と大宅壮一の二人を軸とした大正から昭和の初期の文学界,出版界である。
少年時代に二人は「少年世界」を読み自ら書いた文章を投稿することで希望を繋ぎ,時代が大正から昭和に変わろうとする時に二人は出会う。
本書は川端康成と大宅壮一の二人が軸ではあるものの,大正8年に出版された島田清次郎の「地上」という作品が当時の文学青年に与えた影響や,大正9年に改造社から出版された賀川豊彦の「死線を超えて」がもたらした出版界への影響,「中央公論」「改造」「新潮」にないものを求めて菊池寛が大正11年に創刊した「文藝春秋」の意義といった大きな出来事から,「中央公論」の名編集者滝田樗陰とか,川端康成が今東光や横光利一らと起こした「文藝時代」にまつわるエピソードといったものまで,文学界と出版界の様々な出来事が随所に盛り込まれていて,一種の文学史を読んでいるような気にさせられる。
一言,おもしろかった。

少年時代に二人は「少年世界」を読み自ら書いた文章を投稿することで希望を繋ぎ,時代が大正から昭和に変わろうとする時に二人は出会う。
本書は川端康成と大宅壮一の二人が軸ではあるものの,大正8年に出版された島田清次郎の「地上」という作品が当時の文学青年に与えた影響や,大正9年に改造社から出版された賀川豊彦の「死線を超えて」がもたらした出版界への影響,「中央公論」「改造」「新潮」にないものを求めて菊池寛が大正11年に創刊した「文藝春秋」の意義といった大きな出来事から,「中央公論」の名編集者滝田樗陰とか,川端康成が今東光や横光利一らと起こした「文藝時代」にまつわるエピソードといったものまで,文学界と出版界の様々な出来事が随所に盛り込まれていて,一種の文学史を読んでいるような気にさせられる。
一言,おもしろかった。
