FC2ブログ

「ローラ・フェイとの最後の会話」トマス・H.クック (早川書房)

将来を嘱望されて南部の田舎町を出ていったものの,大学で教鞭をとりながら通俗的な歴史書を書くだけの男,その男のサイン会に現われた一人の女。

男の父の愛人であったその女と男は,一晩会話をする。

そして,その会話を通じて,男が少年時代を過ごした南部の田舎町の出来事,隠されていた真実のベールが徐々にはがされていく。

2010年に発表された「The Last Talk with Lola Feye」の翻訳である本書は,著者であるトマス・H.クックの持ち味とも言うべき,過去の出来事や家族,友人との関係を焦点に,人間の暗部をえぐり出し,人間の弱さやはかなさを描いている。

ただ,これまでの作品とは異なり,ラスト数頁に,かすかではあるが希望を見出す光が差している。

男と女の二人による一晩の会話,そこから類いまれなストーリーを紡ぎ出すトマス・H.クックの作家としての力量に感服する。

ローラ・フェイとの最後の会話

スポンサーサイト



今日の日付入りカレンダー

10 | 2011/11 | 12
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
カテゴリ
シンプルアーカイブ
リンク
FC2カウンター