「ターゲットは大統領機」フィッシャー&アルバタッジー(早川書房)
アメリカの大統領専用機エアフォースワンを乗っ取り大統領を人質にするという荒唐無稽な話である。
犯人であるベトナム戦争で海兵隊の戦闘機乗りとして活躍するが自分が落としたナパーム弾が少女を殺したことで傷つき,親友とともに捕虜になったことも重なってアメリカ政府に対する憎しみを胸に秘めた一人の男とその親友。
その犯人を追い詰める第四次中東戦争で父を亡くしたその犯人を追い詰める無毛症のイスラエルの情報部員と,その情報員に妻を寝取られるFBIの捜査官。
その他,カダフィ大佐の片腕の人物,日本人のテロリスト,エアフォースワンの機長など多彩な登場人物それぞれが魅力的に描かれているし,ストーリー展開も無駄がなくラストまで一気に楽しく読むことが出来た。
特に,犯人が大統領を誘拐する方法が読者には最後まで明らかにされず,いろいろな人物と接触し罠を仕掛けていくが隠された意図は何かと考えさせ,それがクライマックスで一挙に氷解するあたりのテクニックはさすがである。
また,ニューヨークの地下鉄での追っかけっこも秀逸で,映画「フレンチ・コネクション」ウィリアム・フリードキン (1971年アメリカ)での刑事ポパイと麻薬組織のボスとの手に汗握る追跡シーンが思い出された。

犯人であるベトナム戦争で海兵隊の戦闘機乗りとして活躍するが自分が落としたナパーム弾が少女を殺したことで傷つき,親友とともに捕虜になったことも重なってアメリカ政府に対する憎しみを胸に秘めた一人の男とその親友。
その犯人を追い詰める第四次中東戦争で父を亡くしたその犯人を追い詰める無毛症のイスラエルの情報部員と,その情報員に妻を寝取られるFBIの捜査官。
その他,カダフィ大佐の片腕の人物,日本人のテロリスト,エアフォースワンの機長など多彩な登場人物それぞれが魅力的に描かれているし,ストーリー展開も無駄がなくラストまで一気に楽しく読むことが出来た。
特に,犯人が大統領を誘拐する方法が読者には最後まで明らかにされず,いろいろな人物と接触し罠を仕掛けていくが隠された意図は何かと考えさせ,それがクライマックスで一挙に氷解するあたりのテクニックはさすがである。
また,ニューヨークの地下鉄での追っかけっこも秀逸で,映画「フレンチ・コネクション」ウィリアム・フリードキン (1971年アメリカ)での刑事ポパイと麻薬組織のボスとの手に汗握る追跡シーンが思い出された。

