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機械式カメラの魅力

そのカメラを手にしたのは今から十数年前,西日の当たる暑い店内であった。
額に流れる汗をハンカチで拭きながら,店の人に言われるまま右目でそのカメラのファインダーをのぞくと,裸眼で見るよりもくっきりと店内の風景が目に飛び込んできた。
「シャッターを切ってみてください」という声に誘われてレバーを巻き上げ,シャッターを切る。「ことっ」と音がしてシャッターが切れた。
「このカメラのレンズはお持ちですか」と訊ねられたので「持っていません」と応えると「では,標準の50mmで探してみましょう」と言い,大きさも形も様々なレンズが置いてあるケースから,3本のレンズを取り出してくれた。
店の人は最初のレンズを手にして「このレンズが一番のお勧めです。シャープな中にも軟らかさがある描写をするレンズです」と説明する。
次に,2本目のレンズを手にして,「このレンズは写さないときは,このようにコンパクトになります」と言いながらレンズの鏡銅を回してぐっと押し込む。すると,レンズの長さが半分ほどとコンパクトになった。
そして,3本目のレンズを手にして「最後のこのレンズは値段は一番安いのですが,日本製でシャープな写りをします」と説明してくれた。
コンパクトに収まるレンズは初めて見るので興味をひかれたが,ここは店の人が一番というレンズにする。
このカメラは露出計を内蔵していないので,ポケットに入れるか首から下げて常時携帯する露出計も併せて購入。
フィルムの入れ方と巻き取り方を教えてもらい,店を出る。
以来,この機械式カメラを手に,何十本ものフィルムで家族や街の風景を撮影した。
50年以上前に製造された機械式カメラの精密感,カメラ自体の存在感は,現在のデジタル・カメラには望むべくもなく,機会ある度に機械式カメラでの撮影を楽しんでいる。

ライカ1
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