「バーボン・ストリート」沢木耕太郎 (新潮文庫)
書店でふと目にした新潮文庫の棚で本書をみつけた。
傑作旅エッセイ「深夜特急」で沢木耕太郎の簡潔で力強く,味わいのある文章に触れ,またあの時の感動を味わえるのではないかと期待して頁をめくったが,やはり彼の文章力,構成力には脱帽である。
本書は著者の青春時代の思い出や友人との交流を基にしたエッセイで,収録されている15篇すべてが洒落た内容で楽しめた。
中でも秀逸なのが退屈について書かれた「退屈の効用」で,『若者は常に退屈している,退屈こそ若者の特権だといえなくもない』という著者の感覚には全く同感できる。
また,ある人物の言葉として『テレビは強制的に貴重な時間を奪う。貴重な,というのは,その時間にすばらしいことができるのにというのではない。退屈で不安な時を奪うからこそ,テレビは敵なのだ。退屈で不安だから,人は何かを考え,作ろうとする』を紹介しているが,この言葉には含蓄があり感心させられた。

傑作旅エッセイ「深夜特急」で沢木耕太郎の簡潔で力強く,味わいのある文章に触れ,またあの時の感動を味わえるのではないかと期待して頁をめくったが,やはり彼の文章力,構成力には脱帽である。
本書は著者の青春時代の思い出や友人との交流を基にしたエッセイで,収録されている15篇すべてが洒落た内容で楽しめた。
中でも秀逸なのが退屈について書かれた「退屈の効用」で,『若者は常に退屈している,退屈こそ若者の特権だといえなくもない』という著者の感覚には全く同感できる。
また,ある人物の言葉として『テレビは強制的に貴重な時間を奪う。貴重な,というのは,その時間にすばらしいことができるのにというのではない。退屈で不安な時を奪うからこそ,テレビは敵なのだ。退屈で不安だから,人は何かを考え,作ろうとする』を紹介しているが,この言葉には含蓄があり感心させられた。
